こんにちは、小野寺徹です。
「仕入れ1,500円の商品を5,000円で売れば、3,500円の利益」——輸入ビジネスでこの計算をしてしまうと、あとで必ず苦しくなります。実際の利益は、送料・関税・手数料をすべて引いた残りだからです。
この記事では、クラファン物販の利益計算に必要なコスト項目と、具体的な計算例をお見せします。
先にお断りします。関税の税率や税金の扱いは商品・輸送条件によって異なり、制度も変わります。この記事は計算の枠組みの解説であり、個別の税率・通関の最終確認は税関(実行関税率表)・通関業者・フォワーダーなどの専門機関に行ってください。
利益計算に必要な6つのコスト項目
スクールで使っているコスト計算の枠組みでは、コストを次の6項目に分けます。
- 商品単価(仕入れ値): メーカーからの1個あたりの仕入れ価格。FOB・EXWなどの条件を円換算した金額です(条件の意味はインコタームズ入門で解説しています)
- 国際送料(1個あたり): DHLやフォワーダーの輸送費を個数で割った金額。航空便か船便かで大きく変わるため、見積もりを取ってから入れます
- 関税(1個あたり): 輸入時にかかる関税額を個数で割った金額。商品カテゴリによって税率が異なるので、税関ホームページの実行関税率表で事前確認します
- 国内発送代行費: 発送代行会社への費用。入庫・検品・梱包・発送費を1個あたりに換算します
- 決済手数料: クレジットカード決済などの手数料。一般的に販売価格の約3〜5%です
- CF手数料: プラットフォームの手数料。目安としてMakuakeが約20%、CAMPFIREが約17%(いずれも変動あり。利用するサイトの最新の料率を必ず確認してください)
「売価−仕入れ値」の頭でいると、3〜6をまるごと見落とします。特にCF手数料は販売価格に対して約2割かかるため、影響が最も大きい項目です。
計算例: 販売価格5,000円の商品
資料にあるシミュレーション例をそのまま示します。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 販売価格(リターン金額) | 5,000円 |
| 仕入れ値 | −1,500円 |
| 国際送料(1個あたり) | −300円 |
| 関税(1個あたり) | −120円 |
| 国内発送代行費 | −200円 |
| 決済手数料(5%) | −250円 |
| CF手数料(20%) | −1,000円 |
| 1個あたりの利益 | 1,630円(利益率32.6%) |
「5,000円で売って手元に残るのは1,630円」。この感覚を最初に持てるかどうかが、商品選びと価格交渉の質を決めます。
目標利益率は30%以上 — だから「2倍」では足りない
価格設定の基本式は「仕入れ原価(諸経費込)×2〜3倍=定価」です。
「2倍あれば十分では?」と思うかもしれませんが、上の計算例のとおり、CF手数料・国際送料・関税・発送代行費をすべて引くと、2倍設定では利益がほぼ出ないケースが多いのが実情です。スクールでは目標利益率30%以上を確保するため、3倍前後を推奨しています。資料の例では、諸経費込みの原価5,000円の商品を定価13,000円に設定し、利益率61.5%を確保しています。
「この価格で日本のお客様に受け入れられるのか」は、価格交渉より先に決める3つの条件で書いた競合リサーチとあわせて判断してください。
計算の精度を上げる3つの実務ポイント
- 為替レートは保守的に: ドル建てで交渉した場合、実際のレートより5〜10円高めに設定して計算しておくと、円安に振れたときの目減りを吸収できます
- 航空便と船便で別々に計算する: 最初は航空便、量が増えたら船便、と輸送手段が変わるとコスト構造が変わります。両方で計算しておくと、段階的な利益改善の計画が立てられます
- 送料込みの見積書(Quotation)をもらってから判断する: メーカーには「日本への送料込みでいくらになるか」の見積書を依頼します。これが届いて初めて、正確な利益計算と販売判断ができます
目標金額からの逆算もできる
計算の枠組みができると、逆算も使えるようになります。目標金額÷販売価格=必要な支援者数。「100万円のプロジェクトにしたい」なら、5,000円の商品で200人の支援が必要、という具合です。目標設定が「なんとなく」でなくなります。
まとめ
- 利益=販売価格−(仕入れ値+国際送料+関税+発送代行費+決済手数料+CF手数料)。6項目すべて引いて残った金額だけが利益
- 計算例: 販売価格5,000円→利益1,630円(32.6%)。目標利益率は30%以上
- 価格は仕入れ原価×2〜3倍が基本。2倍では利益がほぼ出ないケースが多い
- 為替は5〜10円高めに・航空便と船便は別計算・送料込み見積書をもらってから判断
- 関税率・通関の最終確認は税関・通関業者・フォワーダーなど専門機関へ(本記事は一般的な情報提供です)
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