こんにちは、小野寺徹です。
輸入ビジネスの実務で、リサーチや交渉ほど話題にならないのに、決定的に重要なものがあります。保険です。
「海外の商品を仕入れて日本で売る」ということは、その商品が原因で起きたトラブルの責任を、輸入販売者であるあなたが問われ得るということでもあります。この記事では、そのリスクに備えるPL保険の基礎を解説します。
先にお断りします。保険の要否・補償内容・保険料は、商品や事業の形によって異なります。この記事は一般的な情報提供であり、最終的な加入判断と契約内容の確認は、保険会社・代理店など専門の窓口に相談してください。
PL保険とは
PL保険(Product Liability保険/生産物賠償責任保険。製造物責任保険とも呼ばれます)は、簡単に言うと——
あなたが販売した商品が原因でお客様の身体や財物にトラブルが起きたとき、その賠償をカバーしてくれる保険です。
ポイントは、製造していなくても対象になり得ることです。海外メーカーの商品でも、日本に輸入して販売した事業者は、事故の際に責任を問われる立場になります。「作ったのはメーカーだから関係ない」とはならない——ここが輸入ビジネスの盲点です。
保険なしで販売を続けるリスク
具体的に何が起こり得るのか。実際に想定される典型例です。
- 製品の欠陥による人身事故: 販売した製品が原因でお客様が大けがをした・亡くなった場合、輸入販売者として責任を問われる
- 電子機器・バッテリー製品の発火: 過熱・発火による住宅火災。建物・家財・慰謝料まで賠償の対象になり得る
- 異物混入: 製品に混入した金属片などでお客様が負傷した場合の損害賠償
こうした事故の賠償は、数千万円から億単位に達することがあります。個人や小さな事業者が自己資金で払える金額ではありません。私は受講生に「販売するなら必ず加入してください」と伝えています。実践している輸入プレイヤーは皆、加入しています。
いつ加入するのか
加入のタイミングには実務上の目安があります。
商品が第三者(お客様)に渡る前です。具体的には、商品が日本の倉庫に入ったタイミングでの加入でも間に合います。つまり、リサーチや交渉の段階で慌てて入る必要はなく、「販売開始前に必ず済ませるもの」として工程表に入れておけば大丈夫です。
手続きでは、1年間の売り上げ見込みを算出して提出する形が一般的です。詳細は保険の担当窓口に確認してください。
費用感と相談先
保険料は商品カテゴリ・売上規模・補償内容で変わるため、この記事では断定しません。事業の実態を伝えて見積もりを取るのが唯一の正確な方法です。
相談先の起点としては、次のような選択肢があります。
- 損害保険会社・保険代理店(PL保険・生産物賠償責任保険を扱う窓口)
- 商工会議所など事業者向け団体の保険制度
- ミプロ(MIPRO・対日輸入ビジネス相談): 輸入ビジネスの制度全般の相談先。電気・電波・食品衛生法が絡む商品は、交渉中の段階でも相談しておくと安心です
クラファン物販の工程では、ここに入る
全体の流れの中での位置づけを整理すると——
- リサーチ・交渉・契約(保険はまだ不要。ただし規制カテゴリの商品は規制のある商品カテゴリの確認を先に)
- サンプル確認・プロジェクト準備
- プロジェクト公開・支援確定
- 本発注・輸入 → 商品が日本の倉庫に入る前後で PL保険加入
- お客様への発送開始
「発送が始まる前に加入済み」の状態を作る。これだけ覚えておけば、実務上の判断は迷いません。
まとめ
- PL保険は「販売した商品が原因の事故の賠償」をカバーする保険。輸入販売者も責任を問われ得る
- 事故の賠償は数千万円規模になり得る。実務では加入が前提
- タイミングは「商品がお客様に渡る前」。日本の倉庫に入った時点での加入でも間に合う
- 保険料・補償内容は商品と事業によって異なる。判断は必ず保険会社・専門窓口に相談を(本記事は一般的な情報提供です)
次に読むなら:輸入前に確認したい規制のある商品カテゴリ/フォワーダーとは?
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