英語が話せなくても海外メーカーと交渉できる理由(AI翻訳の往復6ステップ)

こんにちは、小野寺徹です。

海外メーカーとの交渉と聞いて、ほとんどの方が最初に口にするのが「英語ができないので無理です」という言葉です。

先に結論をお伝えします。海外メーカーとの交渉に、英会話力はほぼ必要ありません。 私はこれまで100社以上の海外メーカーと独占契約を結んできましたが、交渉のやり取りの中心はずっとメールです。そしてメールであれば、いまはAI翻訳を挟む進め方が確立されています。

なぜ「話せなくても」交渉が成立するのか

理由は3つあります。

1. 交渉はメールが標準だから 海外メーカーとの初回接触は、ほぼ例外なくメール(またはサイトの問い合わせフォーム)です。先方も世界中の取引先と文字ベースでやり取りしており、「まずメールで条件を詰める」のが商習慣として普通です。

2. 時差があるから 相手が欧米のメーカーなら、営業時間はこちらの深夜です。リアルタイムの会話よりも、1日1往復のメールのほうがお互いに都合が良いのです。返事を書くまでに考える時間を取れるのは、むしろ交渉上の利点です。

3. 記録が残るから 価格や数量の条件は、口頭ではなく文面で残すのが原則です。後から「言った・言わない」にならないためにも、交渉は文字で進めるべきものです。

つまり「英語で話す」場面がそもそもほとんどありません。必要なのは「英語の文面を作って、読む」ことだけで、ここはAI翻訳が肩代わりしてくれます。

AI翻訳の「往復6ステップ」

とはいえ、日本語をそのまま機械翻訳して送るだけでは、誤訳や不自然な文面で信頼を損ねることがあります。そこで、次の6ステップを1往復の型として回します。

  1. 伝えたいことを日本語で書く(1文を短く。主語を明確に)
  2. AIで英語に翻訳する
  3. 逆翻訳で確認する(できた英文を再び日本語に翻訳し直し、意図とズレていないか確かめる)
  4. 送信する
  5. 返信をAIで日本語に翻訳して読む
  6. 返事の内容を日本語で考え、再び1に戻る

ポイントは3の逆翻訳の確認です。英文が正しいかどうかを英語力で判断するのではなく、「日本語に戻したときに意味が変わっていないか」で判断します。これなら英語が読めなくてもチェックできます。

誤訳を防ぐ3つのコツ

  • 1文を短くする:長い文ほど翻訳は崩れます。「〜ですが、〜なので、〜したい」は3つの文に分けます。
  • あいまいな表現を使わない:「なるべく早く」ではなく「7日以内に」。「たくさん」ではなく具体的な数字。日本語の時点で具体的に書くほど、翻訳の精度は上がります。
  • 業界の定訳を使う:最低注文数量はMOQ、見積書はQuotation(クォーテーション)など、貿易のやり取りには決まった用語があります。こうした用語だけは定訳をそのまま使うと、相手に正確に伝わります。

それでも残る「英語以外」の壁

正直にお伝えすると、交渉がうまくいくかどうかの分かれ目は、英語力ではありません。

  • 最初のメールに何を書くか(相手が返信したくなる提案になっているか)
  • どの条件から順番に詰めるか
  • 返信が来ないときに、どう追いかけるか

つまり交渉の中身と手順です。ここは翻訳ツールでは解決できない部分で、学ぶ価値があるのはむしろこちらです。最初のメールの考え方は海外メーカーへの最初のメール — 返信されるメールに共通する要素で解説しています。

まとめ

  • 海外メーカーとの交渉はメール中心。英会話の場面はほぼない
  • 「日本語で書く→AI翻訳→逆翻訳で確認→送る→返信を翻訳」の往復で、英語力の壁は越えられる
  • 本当の分かれ目は、メールに何を書くかという交渉の中身

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